知床の鮭のこと

知床の魚といえば、鮭。

 

それは単純に「漁獲量が多いから」というだけの理由ではありません。知床の自然のサイクルにおいて「鮭」はとても重要な役割を果たしています。

 

知床は「陸と海が生み出す豊かな生態系と、希少な動植物をはぐくむ自然環境がある」ということが評価され、2005年に世界自然遺産に登録されました。

 

重要なのは、例年2~3月にかけて知床沖をはじめとしたオホーツク海にやってくる「流氷」の存在。

 

海が氷で覆われるこの時期は船を出すことができなくなりますが、流氷ができる過程で深くかき混ぜられたオホーツク海は、春になるとプランクトンが大量に増え、多くの海の生きものが集まる豊かな海になります。

 

 

 

海を回遊し栄養をたっぷり蓄えた鮭や鱒は、産卵のため、生まれた川へ遡ります

産卵を終えて弱った鮭は、陸に暮らすヒグマや、オジロワシやオオワシの貴重な餌となります。

そして動物たちの食べ残しや糞は土に還り、草木の養分になり、知床の森を豊かにする。

木の葉や枯れ木は再び土に還り、雨や雪どけ水によって川に流され海へ運ばれ、海に暮らす生きものたちの栄養分となる……

 

 

 

このように、知床の自然のサイクルにおいて「海と陸とをつなぐ」という重要な役割を果たしているは鮭は、知床を象徴する魚と言っても過言ではありません。

 

海水温の上昇、鮭の回遊経路の変化、経路上の栄養状態……近年は様々な要因によって海の環境が変わってきたことで不漁に苦しむことも増えてしまいましたが、環境の変化に強い野生魚の自然産卵を促すために川の魚道を確保・整備し鮭が遡上しやすい環境づくりを進めるなど、長期的な目線での取り組みもおこなわれています。

 

 

 

知床・斜里町でのこうした鮭にまつわる取り組みは、Instagramの知床鮭アカウントでも日々ご覧いただける他、実際に現地で楽しめる企画を詰め込んだ「知床鮭ウィーク」も2023年10月1~10日の期間に開催されます。

 

食べる、見る、学ぶ。

様々な形で、知床の鮭をお楽しみいただけると嬉しいです。